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What's 'IM'?

―コレマデ ト コレカラ ―

on the way

 00年以降編集面で実質ナンバー2の位置にあった伊藤庄平が、29号を最後に『IM』を脱退。5周年を迎えた30号(01年7月発行)はなんとか現状を維持できたものの、彼が去った影響は大きく、31号(01年9発行)は5年前の02号(96年11月発行)と同じ僅か24ページ。内容にも不満が残るものとなってしまった。
 この頃になると、このまま『IM』を発行し続けていてもダメだ。いったん休刊して立て直しを図ろうと考え始めていた。このあたりの経緯については、復刊準備号として出した33号(03年6月発行)の「ごめんなさい。そして、ありがとう。そして願わくば、よろしく」に書いたので、そちらを読んでもらいたい。

「IMは旅人でありたいと思っている」・・・古くからの『IM』の読者だったら気付いたはずだ。オレが「旅」という言葉を『IM』に対して使ったのは、創刊以来5年半にしてこれが初めて。つまり「旅」は、創刊来のコンセプトのひとつ「世代をつなぐ、地域をつなぐ接続詞」(「SINCE1996」参照)を示すと同時に、充電のための休刊を暗示する言葉でもあった。

「IMと共にオレは旅する」・・・・・・既にハラは括っていた。
 あとは、いつ休刊するか?それだけを決めかねていた。

 そこへあの同時多発テロ事件が発生。そしてアメリカがアフガン空爆を開始した・・・・・・。<2004.6.12記>


on tghe way(誌面スキャン)


(テキスト版)

on the way

実はオレ、恐ろしく不器用な一面を持つ。
信条を曲げることが出来ない。
折合を付けることも出来ない。
テキトーも苦手。
ダキョーも苦手。
それ以前にコマゴマした日常が大の苦手。
コマメな行動も大大大の苦手。
もちろんオトナ社会で生き延びる能力は備えている。
しかし決して金儲けの出来ないタイプだ(笑)!

「おまえさんには女房役が必要だ」
そうかも知れない。
そういう人とタッグを組むのがいいのかも知れない。
だがしかし、IMを支える女房役は今もって見つからない。
理由はただひとつ。
IMの地理的広がりについていける人がいないのだ。

日本人は農耕民族なのだとつくづく思う。
西に進めば進むほど、土地は豊かに、人々の腰は重くなる。
コキョーとトーキョー。
それだけで欲望は満たされるのかもしれない。
だが、隣の県すら、隣の街すら行くことなしに、
何を見たと言えるのか?
何を知っていると言えるのか?
欧米ばかりに迎合し、アジアの隣国を軽んじる。
そんな愚かな振る舞いの、ニホンの文化の縮図のようだ。

人間には旅が必要だ。
視野を広げ、理解を深める旅が必要だ。
古今東西、人間は自らに旅を課してきた。
メッカ巡礼からお伊勢詣でまで、信仰の力を借りて自らに旅を課してきた。
財を投げ打ち、命をさらし、そうしてまでも自分の足で旅してきた。
隣の国へ、そしてさらに隣の国へ。
隣国を知り、隣人を知る。
そして隣と絆を深め、手を携えて生きて行く。
だからこそ人間には旅が必要なのだ。
だからこそ誰かが旅に出ねばならないのだ。

IMは旅人でありたいと思っている。
故郷熊本だけでなく、岡山から鹿児島までエリアを広げてきた理由もそこにある。
そしてIMと共にオレは旅する。
金は無くとも、地べたを走り、車に泊り、そうして各地を訪れる。
「歩く」力の尽きるまで・・・・・・



女房役にも、旅の途上で出会うだろう。
いつか。
どこかで。

2001.8.12. 宮原 春萌(identity market代表)
<『IM...identity market 31』(2001.9.1.発行)より転載>

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