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What's 'IM'?

―コレマデ ト コレカラ ―

SINCE 1996

『IM... identity market』は、1996年7月、熊本で創刊された。
 創刊メンバーは当時はOL、その後『九州Walker』の編集者に転じた柴田真希。そしてまだPARCOの社員だったオレ:宮原春萌の2名。
 創刊号から広告もキッチリ獲得し、発行部数も3,000部。奇数月1日の発行日も厳守。商業的な無料配布誌とも趣味的なミニコミ誌とも一線を画す編 集発行姿勢そして誌面内容は、当時の街に衝撃をもって迎えられたようだ。
 やがて『IM』の噂はクチコミで広がり、配布店やスタッフも自然に増え、2000年を迎えた頃には広島、福岡、長崎、鹿児島にも支部を持つまでに成長していった。

 その間、ライター、配布ショップ、スタッフ、そして何よりも愛読者・・・本当に数多くの出会いがあり、また皆さんにお世話になった。
 当時のエピソードは、この「What's 'IM'?」で、いずれ綴っていこうと考えている。

 21世紀に入ってからも、ありがたくも皆さんに支持されてきた『IM』だったが、様々な事情により、01年11月発行の32号を最後に休刊。03年6月に復刊準備号として33号を出したものの、結局復刊することなく現在に至っている。
 休刊に至るまで、そしてその後の経緯については、当コーナーの他のページに書いたので、そちらを読んで欲しい。

 このページでは、『IM』とは何か?について、今までに書いてきた文章を転載しておく。
 休刊以前の『IM』のコンセプトを知って頂ければ幸いだ。
 なぜならば、今後生まれ変わるであろう新しい『IM』においても、その底流には、きっと、これらのコンセプトが生き続けているはずだから・・・。

2004.6.11 identity market 代表 宮原春萌


what is "identity market"?

 日本人は物質的な豊かさを求めて生きてきた。金=幸福は否定しても経済成長=幸福と言う公式を、(少なくとも潜在的には)すべての日本人が信じてきた。90年代に入りバブル経済が崩壊し、そして日本経済は一気に成長しない時代に突入した。もう、誰も物質的な豊さ=幸福だとは信じなくなった。そして、精神的な豊さ=幸福だと気づいた。揺るぎない、確固たる信念を持って生きてゆく・・・・自分のidentityを持つことが一番の幸せだと、(少なくとも潜在的には)すべての日本人が気づいた。でも、自分のidentityって、なに・・・・?

 そして大変なことになった。政治、経済、思想、未来・・・・さまよう「国民」にこんな大事な物が支えられる訳がない。

 でも、自分のidentityって、なに・・・・?んなもん自分で探すっしかねーだろ!・・・・でも俺だってまだ見っかってねーよ。

 じゃあ、とりあえず、みんなで議論してみっか!なんかヒント見っかっかもしんねーよ。でも、よっぽどのダチでもねー限り、こっぱずかしくって、んなこと話してらんねーよな。・・・・ん、こーゆーのどうだ?そーゆーことばっか集めたフリーペーパー作んだよ。自分の生き方とか、そーゆーのいろんな奴が書いてんの。そーすりゃあ、それをきっかけにしてみんな話せんじゃん。

 こうしてidentity marketが誕生しました。identity marketは情報誌ではありません。専門誌でもありません。「雑誌」でもないかも知れません。「いま・ここに」生きる人たちが、「いま・ここに」生きる他の人たちと話し合いながら、「いま・ここに」挑んでいく・・・・identity marketはそのきっかけを与えるだけの、でも、他に代わる存在がないフリーペーパーです。学校も、宗教も、家族も、「自分自身」さえもリアリティを失った時代、「いま・ここ」で働いて遊んで喜んで泣いて笑ってケンカしてオシャレして恋愛してSEXして生きているすべての人のために、identity marketはストリートに存在し続けます。

1997年7月1日 identity market 代表 宮原春萌
<06号巻頭掲載文より抜粋、16号より28号まで巻頭に常時掲載>

*

「オレだって言いたい」を増やしたい

「正常/異常」「強者/弱者」「肉体愛/精神愛」「豊かさ/貧しさ」・・・・・・identity marketのメインページでは各号ごとに決められたテーマ(SPECIALISSUE)について、様々な人が文章を書いてます。会社オーナー、ショップ店長、OL、DJ、ジョシコウセイなど登場する人は多趣多様。当然、その主張も多種多様です。identity marketが大切にするのは、「オレだって言いたい」という主張。何も考えないで消費するだけの生き方が「カッコイイ」時代が過ぎ去って、誰もが自分の生き方・考え方について悩むようになりました。しかし、タテマエだらけの「学校教育」や押し付けがましい「宗教」がリアリティを失ったいま、「オレ」の生き方は「オレ」たちで話し合って決めていくしかありません。その話し合いの場となり、きっかけとなるために生まれたのがidentity marketです。だから、identity marketは「オレだって言いたい」を大切にし、増やしていきたいと考えています。

路面ショップのネットワーク

 identity marketはコミュニケーションの接点に存在しようと考えてます。identity marketが置いてあるのはファッション、美容室、レコード、飲食、クラブといった路面ショップ。ショップスタッフとお客さん、あるいはお客さんどうしが気軽に話せるショップを選んで置いています。identity marketは誌面から読者の一方通行で終わることをよしとしません。読んだ人がまわりの人と話すときの「議論のタタキ台」となり、さらにその「議論」の中から「自分も書いてみよう」という人が出てくる。そこまで行ってはじめて、identity marketが意味を持つと考えてます。だからこそ、identity marketはストリートの路面ショップを中心に展開し、独自のネットワークを築きながら成長してきました。

世代をつなぐ、地域をつなぐ「接続詞」

 identity marketは1996年7月に熊本で創刊され、10代~20代の「ストリート系」「クラブ系」を中心に支持されてきました。しかし、「普通に遊んでいる人間がライフスタイルを語る」identity marketのメインテーマは、世代や地域に縛られるものではありません。高校生からオヤジまで、優等生から元ヤンまで、広島市から鹿児島市まで、identity marketは世代やテイスト、地域を越えて支持されてきました。そしていま、identity marketはその広がりを生かし、様々な世代や地域をつなぐ「接続詞」の役目を果たしたいきたいと考えています。

<媒体向け資料(1998年秋作成、1999年春修整)より抜粋>

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