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水いじり

文集
写真集  2009.4.12更新
水槽データ  2010.5.17更新


水いじり

魚は本来、海や河川を泳ぐもの。
狭い水槽で死ぬまで過ごす・・・魚たちには不幸なことだ。

人は本来、山や野原を駆けるもの。
不毛の都市で死ぬまで過ごす。・・・それでは人は学べない。

いくら科学が発展しても、人は自然の産物だ。
授精。出産。心臓停止。自然の掟の下にいる。
自然の掟に謙虚に学び、自然の恵みを謙虚に受ける。
そうやって、人ははじめて生き延びられる。

だがしかし、いまや「自然」は贅沢品だ。
自然に囲まれ休暇を過ごす。土地を耕し野菜を育てる。
都市の民には叶わぬ夢だ。
戸建ての家を持たざる者は、犬猫さえも親しめない。
南の窓を持たざる者は、鉢植えさえも楽しめない。

でもしかし、水槽ならばどこでも置ける。
電気と水道。それさえあれば魚は飼える。
もちろんそこに真の自然は存在しない。
四角いガラスに閉じこめられた、人様向けのオモチャの「自然」。
それでもそこから掟は学べる。
豊かな者は土いじり。
貧しい者は水いじり。
自然の掟はそこから学べる。

魚は本来、海や河川を泳ぐもの。
狭い水槽で死ぬまで過ごす・・・魚たちには不幸なことだ。
ごめんなさい。

水槽の魚は食卓の魚
自然の恵みと考える
食べたものと考える
食べた魚は血肉となる
飼った魚は心となる
そして自然へ感謝する

ありがとう。




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