NEW ORDER LOW LIFE 1985 Factory Records Fact 100 <Tracks> -Side A- Love Vigilantes The Perfect Kiss This Time of Night Sunrise -Side B- Elegia Sooner Than You Think Sub-culture Face Up ※ジャケ写について 恥ずかしながらレコードが自宅のどこかで行方不明。とりあえずフリーペーパー掲載時のものをそのまま掲載しておきます。画像荒くてすんません。なお、原盤 のジャケットもモノクロです。 |
悲劇は突然訪れた。1980年5月19日、月曜日。全英チャートを駆けのぼったマンチェスターのバンドJOY
DIVISIONは、初のUSAツアーに旅立つ・・・はずだった。ところが集合したメンバーに待ち受けていたのはヴォーカリスト、イアン・カーティスの自
殺・・・。信じられない出来事だった。
79年にデビューしたJOY DIVISIONは、イアンのカリスマ的魅力により、またたく間にポスト・パンクの最重要バンドとなった。 若者からマスコミから音楽業界から寄せられる賞賛の嵐。そしてアメリカ進出・・・。バンドの前途は洋々だった。そこで起こったカリスマの自殺。当然USA ツアーは中止。バンドも崩壊。残されたメンバーはショックのあまりインタビューさえ受けられなかった。ジム・モリソンを失ったドアーズだと思ってもらえれ ばいい。 だが、残された3人のメンバーは立ち上がった。女性キーボーディストを加え、新バンドを結成。NEW ORDERの誕生である。さてその結果は?・・・「カリスマを失ったバンドになぞ何の魅力もない」あまりにも当り前な反応。NEW ORDERの苦闘は2年も続く。 1983年、転機が訪れる。NEW ORDER初のヒット曲の誕生である。曲のタイトルは「BLUE MONDAY」。そう、イアンの自殺の日。だがイアンを悲しむどころか、揶揄する歌詞にディスコ・ビート。そして世界的大ヒット。彼等は遂にイアンの幻影 を越える。 ところがまだ終わっていなかった。その後もヒットを連発、メジャーになったNEW ORDERは、85年、遂にアメリカへの進出が決定。悲劇から5年。長い道のりであった。 ここで彼等はヤッてくれた。アメリカでのデビューアルバム「LOW LIFE」の、両面開きジャケットの4つの面には、4人のメンバー各々の全面大写し写真が“全く平等に”印刷されていた。さらに一番オモテの面に写ってい るのは、メンバーの中で“一番目立たない”スティーヴン・モリス。 彼等はまだ戦っていたのである。そして、ついに戦い終えることができた・・・のだと思う。 (harumo) <「IM... identity market 15号」(1999.1.1.発行)より転載> |