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「正義/悪」  「ロックンロール/アメリカ」

「大体アメリカの好景気なんて、CNNが流してるプロパガンダ以外の何物でもないね。俺はアメリカなんてどうでもいいんだ。分かるだろ?クソ食らえ!ってさ。世界経済をファシストみたいに牛耳って、世界中に爆弾を落としまくって。セルビアとかイラクとか…。挙げ句の果てにコロンビアから搾取しまくって…。世界全体を苦しめてるんだよ。そんでイギリスはアメリカ帝国の一部になっちまってる。『アメリカ何番目の州?』って感じさ。アメリカの国民に反感を持ってるっていうのとは違うぜ。俺達が反対しているのは、アメリカ政府、軍、そして軍産復合体、外交政策、多国籍企業、そしてファシスト的概念を反映した政治体制に対してなんだ。」

そう、この言葉はプライマルスクリームのボビーギレスピーのインタビューの一部である。
まるで例のテロ事件を象徴するかのような言葉である。しかし、世間一般ではテロ事件の犯人を悪とするならば、報復攻撃をしようとしているアメリカを正義って言えばいいのかな?別にテロの犯人を正当化する気は無いのだけれど…。

USA-それは資本主義の名前だ。アメリカ合衆国は、かつて日本にも凄まじいバブルを生んだのとまったく同じ資本を、今、ウォール街へと引き揚げることで全世界を覆う「グローバリズムの帝国」へと変貌しつつある。だが、その好景気は、胃薬と抗うつ剤プロザックの常用を義務づけられたユースの犠牲の上に成り立っている。誰もが無理やり笑顔を浮かべて「空虚な夢」を追わねばならない国=プロザック・ネイションUSA。そう、多国籍企業がメディアの大半を支配する高度ネットワーク社会において、もはや「夢」は「支配」と同義である。カートコバーンが何故、もっとも最低劣悪なドラッグ=ヘロインと共にあらねばならなかったのか?その哀しい現実を思い出そう。幸福という幻想と社会適応という強迫観念をバラ撒き、それに怯える者には、抗うつ剤プロザックを与え、ひきつった笑いのまま死ぬまで働かせる。それを拒もうとする者には、ヘロインを与え皆殺し-それこそがアメリカの正体なのだから。

大体なぜ正義や悪という言葉や思想があるのか?それはね、地球に生きる人間一人一人の責任だと思う。人は、人を肌の色や、人種や、民族や、宗教など、いろんな形で小さく区分することによって人と人との間に、見えない壁ができてしまう。それによって同類でない人を見下したり、差別する事によって戦争が生まれる。つまりそこから、正義と悪といった言葉や思想が生まれてくる。そう、僕達一人一人にも正義と悪が宿っている。つまり、仮面を被って生活している。優しい言葉を人から聞いてもそれが本心なのかは分からない。だから時々人と話すのが嫌になる。スリップノットというバンドは絶対に素顔を見せず、仮面を被ってライブをする。なぜかって?それは-「人種なんてクソ食らえ。黒人だろうが、白人だろうが、正義だろうが、悪だろうが、俺たちは同じ人間なんだ。同じ人間として、オーディエンスにメッセージを伝えたい。だから仮面を被っているんだ」-最高じゃないか!

最近、60年代、70年代のロックンロールをよく愛聴している。ロックンロールに最低限必要なものは「ゴミだ、お前はゴミだ」という確信だけだ。勿論この俺もゴミだし、このフリーペーパーもゴミだ。この文を読んでるあなたもゴミだしすべてがゴミだ。えっ間違ってる?あなたはいい人?正義の味方?ぎゃははは!馬鹿言ってんじゃないよ。そんなわきゃねえだろうがよ。教えてやるよ。間違いなく君は間違ってる。そう、あなたは無知で馬鹿で臆病者だ。今にも泣き出しそうになっているただのガキだ。ロックンロールでも聴いて、精一杯みっともない虚勢でも張ってみろ。ガタガタ震えてるくせにそれでも俺の顔に唾を吐きかけることが出来るのか?俺に「ゴミ野郎!」って言えるか?すべての安心を捨てて、すべての建設的な意見に唾を吐いて、ただ生きることがお前には出来るのか?後戻りは出来ない。行けるところまで行けばいい。俺を悪者と思うならそれでいい。仮面なんて被らなくていい。優しくなくたっていい。戦争?勝手にやってろよ。正義?悪?どうでもいいよ。世界は君のためにある。「世界を変えてやろう」なんてバカなことは考えなくていい。あなたが残りの人生をしっかりと生きていればそれでいいんだから。

KENTAROCK


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